山甚撚糸株式会社

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薬を使わず、「糸の形」で機能を生む

世界で進む「PFAS(ピーファス)」規制

これまでの布は、表面にフッ素やシリコンなどの薬品を塗ることで水を弾いていました。しかし今、私たちは「薬品に頼らず、素材の異なる糸の組み合わせや、糸の加工技術だけで、水を弾く、そのような糸をつくり出すことはできないか?」という難題に挑戦しています。
背景にあるのは、環境や健康への影響から世界中で「PFAS(有機フッ素化合物)」という薬品の使用を制限する動きが強まっているからです。私たちは、この大きな変化をチャンスと捉え、新しい糸、新しい繊維を創造していきたいと考えています。

伝説の「ロクヨンクロス」

例えば、1968年に生まれた「ロクヨンクロス」という有名な生地があります。これは横糸に綿(コットン)60%、縦糸にナイロン40%を使って織ったものです。
雨が降ると、綿が水分を吸って膨らみ、糸と糸の隙間をギュッと塞いで水の浸入を防ぐ。逆に晴れて乾いているときは、綿が縮んで隙間ができ、風を通して涼しくなります。この「自然の仕組み」を利用した布でつくったマウンテンパーカーは、今でも世界中で愛されるロングセラー商品となってています。

「糸」そのものに魔法をかける

ロクヨンクロスは「織り方」で機能を出していましたが、私たちはさらに一歩進んで「糸そのもの」から機能をつくり出したいと研究を続けています。
糸をねじる(撚る)強さを変えることで、糸の表面を変化させ水を防いだり、湿気を逃がしたりする工夫をしています。また異なる糸を組み合わせ、中心は水を吸いやすく、外側は湿気を逃がしやすくすることで、汗を素早く乾かす技術も開発しました。他にも、糸の太さやねじり方を変えるなど、何百通り、何千通りも試作と実験を繰り返しながら、これまでにない「魔法の糸」を作り出そうとしています。 

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